四輪駆動のエンプレスのブログ

ミニ四駆を題材にしたラノベのことを書いていきます。

四輪駆動のエンプレス2〜オレと四駆の女神たち〜 第一話

おひさしぶりです。

タイトルには2と書いていますが。

8割がた、できているのですが、まだアップできるとこまでできていないので・・・

とりあえず、第一話だけ、先行でアップロードしておきます。

どんな話になるか、つかみだけでも、と(^^;

 

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1話:めざせ1等賞

 

「いけぇ!リバティ!!」

 

ステーションチャレンジ、今年の最終戦。

各地のミニ四駆ショップにて開かれている大会だが、勝ち上がればタミヤが主催する本戦への出場権が得られる。

今回は久しぶりに決勝戦まで勝ち残れた。

今日こそいける、そう確信していた。

だが最終3周目、速度の乗り切った他参加者のマシンが大外から捲くし上げ、一気にチェッカーフラッグを受けた。

ガッツポーズの準備姿勢のまま膝から崩れ落ちる。

そう、また負けたのだ。

ネットを駆使し、様々な情報をまとめ上げ、今作れる最高のマシンを完成させた、はずだった。

しかし勝てない。

何が違うのか、才能なのか、チートでもされているのか。

何を信じて何を疑えばいいのかわからない。

 

それでも。

諦めるわけにはいかない。

 

俺の名前は「狭間 仁(はざま めぐみ)」。

女みたいな名前が嫌いだから周りには「ジン」って呼ばせている。

 

俺のミニ四駆人生は三年前のあの日に始まったーーー

 

友達に誘われてミニ四駆のレースに来たのだが、近所にこんなお店があるとは知らなかった。

Gsガレージ24」、町田宮高校の近くの工場みたいなところをお店に改造している。

ミニ四駆っておもちゃに興味はないが、まぁ友達付き合いってのも大事なものだ。

で、そのツレは、なんだかセッティングするとかなんとか言って作業机で黙々と作業しだしてしまった。

放置されてしまったので仕方なく店内を物色することに。

よくわからない車の透明なボディとか、タイヤやモーターがたくさん並んだ棚を見ていたら店員さんらしき女性に声をかけられた。

この時、人生始まって14年目にして、初めての衝撃を受けた。

 

「なにかパーツをお探しなのかな?」

 

振り返った瞬間、カミナリが落ちたような衝撃とともに心臓が爆音爆速で鼓動しだした。

高い位置で結ったポニーテール、耳元で垂れ下がる後れ毛がサラサラと揺れる。

上品な丈のショートパンツ、お店のロゴの入ったTシャツの上に田宮模型のエプロン。

同じ人間なのかと見間違うほど小さな顔に不釣合いなほど大きな瞳、なのにバランスが完璧なのだ。

こんな人がこの世にいるのか、びっくりどっきりしすぎで訳がわからない。

 

「んもしかして、ミニ四駆は初めてな感じかな?」

「ははい!あの、俺、友達についてきただけで、よくわかんなくて」

「ふぅんじゃ、どう?ミニ四駆やってみない?なかなか本格的で楽しいよ?」

「へ!?ふっ、ひゃぃっ!やらせてくだしゃい!」

 

しまった、勢いで答えてしまった。

しかもまだドキドキが止まらない、なんだこれなんだこれ。

 

「じゃぁ初心者向けなの一緒に選んであげるね」

 

そう言うと、おいでおいでとジェスチャーしてくれている。

もうどうにでもなれ、だ。

 

「最初だとやっぱりMAかな両軸はパーツも少ないし頑丈で速いからあ、でもファーストトライセット切らしてるじゃん

 

なんだか物色して選んでくれてるようだが、俺にはよくわからないから見ていることしかできない。

 

「しょうがない、ちょっとおまけしてモーターとローラーセット、FRPを付けてあげるね」

「え、そんないいんですか?」

「大丈夫、おまけパーツは私物だから♪中古になるけどしっかり動くものだから安心して」

 

と言ってマシンの箱にパーツをポイポイ入れている。

 

「あ、そうだ!これ使ってよ、かっこいいんだよー!昔のパーツ漁ってたらボディだけ出て来て懐かしいから持ってきてたんだけどじゃーん!これこれ、自由皇帝!」

 

見せてくれたものは少し年季が入っているが、綺麗な流線型のボディだった。

 

「かかっこいい

「でしょー!じゃこれもおまけして…1000円ぽっきりでどうだー?」

 

マシンの箱に1000円のタグが貼ってあるので、おまけパーツは全部タダということになる。

 

「こんなに箱がぱんぱんになるほどいいんですか?」

「大丈夫大丈夫♪ミニ四駆が気に入ったらまたうちでパーツ買ってね」

「は、はい!ありがとうございます!」

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お姉さんからもらったリバティエンペラー。

これを使って勝ちたい。

だがしかし勝ちたい理由はそれだけではない。

俺は中学卒業のタイミングでお姉さんに告白までしてしまっているのだ!

まぁ返事はノーだった。

当然と言えば当然だろう、こんな素敵なお姉さんに中坊の告白なんて相手にしてもらえるわけがない。

だがノーの答えの後にお姉さんはとんでもないことを口走ったのだ!!

 

「でもミニ四駆でチャンピオンになれたら考えてあげてもいいよ?」

 

!??

これは頑張るしかないのではないだろうか、そう、頑張るしかないのだ!

 

ミニ四駆チャンピオンに、俺はなる!!(どん

 

そんなことで今日もレースに参加していたわけだが見事に玉砕。

甘い世界ではないのだ。

 

しょんぼりトボトボ帰りのバス停に向かって歩いていると、後ろから走ってくる音が聴こえた。

そして突然、袖を引っ張られるものだから何事かと振り払うように振り返る。

すると目の前に息を切らし、呼吸を整えながら、ちょっと待って、と言いたそうな女の子がいる。

なんだこいつと思うや否や、呼吸を整えたその子は顔を上げながらこう言ったのだ。

 

「キミ、ミニ四駆部に入らない?」

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ということで第一話でした。

初代とはかなり書き方も変えていて、さらにラノベ感が出てるのでは、とか思っています。

今年中には全話アップロードできるかと思いますので、しばしお待ちをば。

 

ではでは。




ブロトピ:ライトノベル