読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

四輪駆動のエンプレス

ミニ四駆を題材にしたラノベを書いていきます。

第9話:MS対決、女心

オレンジ色のシャーシにピンクのボディが女の子らしい。
丸いキャノピーに尖った2本耳。


「このサンダーショットMK2、おまえと同じMSシャーシなんだが…見てみろ。」
「すごくかわいい!うさぎみたい。…うわ、めちゃくちゃ軽い?」
「マスダンパーが嫌いなのよね。あとブレーキもつけないわ。」
「ブレーキが重要なコースなのに、これで走れるんですか?」

「ふふ、これを見て。」


そういうとマシンを持ち上げてテーブルに放り投げる。

 

がしゃん!


「なにこれ、ビタって止まった…」


気持ち悪いくらいに跳ねない。


「これは…減衰ゴム入りのなんちゃらですね。」
「知っているのか木暮!?」
「うーん、MSシャーシの3分割されたシャーシの隙間にバネを仕込んで柔らかくする改造をフレキシブルなんちゃらって言うんだけど。あ、なんちゃらまでが正式名称ね。通称フレキ。この仕組みはジャンプからレーンへの回帰性を上げるものなんだけど。バネの部分にショックアブソーバー代わりのゴムを仕込むことでサスペンション化し、制振性も高めているんだと思う。」
(民明書房刊「フレキシブルなんちゃらってなにさ」より)

 

触らせてもらうとシャーシがぐねぐねとねじれる。
そしてゆっくり元に戻ろうとする。


「これすごい…あたしと同じシャーシなのに別物だ…生きてるみたい。」
「ふふふ、この仕組みとコースにあったモーター、ギアを装備しているからブレーキなんていらないのよ♪」
「すごいです!一緒に走らさせてください!!」
「じゃぁ決まりね、こういち、コースの準備を。」

 

f:id:poke4wd:20170119000017p:plain

 

コースレイアウトは、
・スタートし直線2枚からDB
・1枚着地ですぐコーナー
・テーブルトップ登って1枚でコーナー
・降って0枚でコーナー
・20度>40度の複合バンク
・レーンチェンジから0枚で最終コーナー
となっている。

 

「さぁはじめましょう!こういち、スターターお願い。」
「わかりました。」

 

電子式のシグナルに赤い照明が点灯する。
(ホンモノのレースみたい…)


「シグナルに注目!」


一瞬の間を置いて…シグナルグリーン!!

ほぼ同時のスタート。
ストレートの加速感は断然超帝が速い。


「がんばれー!!」
「とんでもない加速するじゃない!並のマシンじゃないわね。」
「おぅ、いきなりぶっ飛んだ当たりモーター引いてるんだよ、こいつ。」
「へぇ…でもこのコースには合わないわ。」

 

1つ目のDBをハードなブレーキでギリギリ1枚ストレートに収まる。
一方、ノーブレーキですぃすぃと快適に抜けていく山椒MK2。


「DB1個で追いつかれた!?」
「コースに合わせたセッティングってわけ。ホームコース所持者をバカにしないでよね!」

 

TTを登ったあたりであっさりパスされる。


「速度は速くないのに…バランスよくどこでも減速されず走ってるんだ、すごい。ただ速いだけじゃダメなんだ…」
「そう。速いモーターはもちろん武器だけど、切れすぎる刃は己をも傷つける可能性があるの。」

 

TT降り後のコーナーが曲がれず、超帝がCO。


「あぁ…コースアウトしちゃった…」


その後は安定した走行できっちり周回し、山椒MK2の勝利。

 

「まぁ、ざっとこんなものね。」
「すごいです、完敗です。勉強になりました。」
「ふふふ、同じMSシャーシ使い、これからも仲良くしましょうね。」
「はい!また胸貸してください!!」
「で、胸はどこに置いてきたんだ?」
「きーーーーーー!お、い、て、き、て、など、いなーーーーい!!」
「くすくす♪」

 

ーーーーーーーーーー
解説:
・フレキシブルなんちゃら
本文で説明した通り、現在のトレンドの1つ。
ジャンプの降りでバンパーがレーンに引っかかっても、ぐにゃっとシャーシが曲がって素早くレーンに戻ることができる。
レーン接触で弾かれないので安定した着地が可能。
他にもメリットが多々あり、使用者も多い。

 

・テーブルトップ
通称TT。
ジャンプ台と平面、そして降りが組み合わさった障害。
組み方にもよるが、攻略が難しい。

 

・山椒(さんしょ)
サンダーショットの略称。
うなぎ食べたくなりますw
ーーーーーーーーーー
勝負に負けたが得るものは多かったか?
次回第10話「男の戦い、これがレースだ」もお楽しみにね♪

 

ではでは。